​卒業設計

新しい暮らしとオフィスの在り方

団地オフィス

酒谷研究室 織田 尚人

団地と団地の間にある外部空間に大きな屋根をかぶせ、既存の空間資源を活かした巨大なオフィスを設計した。「都心部に極端集中する企業」「オフィス形式の変化」「郊外団地の空き家問題」という3つの社会状況、問題に対する1つのプロトタイプとして、郊外に暮らし、郊外で働く、新しいライフスタイルを提案する。 

​総評 酒谷 粋将

織田君の作品は、JR 根岸線の洋光台駅に隣接する洋光台団地を敷地として設定した巨大なオフィスの計画である。①東京都心に一極集中する企業立地、②郊外団地の空き家問題、③巨大平面を必要とするオフィス空間の需要の変遷、といった社会状況を背景として、既存団地の1~2F のリノベーションに加え、団地間の屋外空間を大屋根によって内部化し、一体的な空間としてワークプレイスの提案を行った。変化に富む団地の地形や多様性に富んだ屋外空間の要素を丁寧に抽出し、それらを“職” のプログラムに対応する空間に巧みに書き換える設計手法は興味深く、都心の企業立地のアンチテーゼとして地方のサテライトオフィスやコミュニティスケールの小さな“職” の場を提案するのではなく、横浜駅から電車で約20 分という絶妙な立地に堂々を巨大なオフィスを立地させることで、現代都市のパワーバランスを改変しようとした彼の試みは建築・都市の広い分野に様々な議論を引き起こす、期待すべき“問題作” ではないだろうか。