​卒業設計

シェアの時代の所有するすまい

超狭小住宅群

酒谷研究室 石崎 大誠

現在、あらゆるモノ・コトにシェアが求められる時代になっている。しかし、そんな時代の中で”所有すること”とは何かを改めて見つめ直したいと考えた。そんな思いから、一人ぐらしの最小限の敷地を用意し、その中に建築面積の小さな一軒家を建てることで成立する、学生でも所有することのできる住宅とその集合としての住宅地の提案する。

​総評 酒谷粋将

石崎君の作品は、本学八景キャンパスにほど近い一区画を敷地とした「学生のための庭付き一戸建て住居」が集まる住宅地の計画である。「所有」することが暮らしの豊かさを象徴した成長の時代を経て、今日ではシェアハウスやカーシェア等、あらゆるものがシェアされ、最近ではサブスクリプションサービスといった所有を前提としないモノ・コトの新しい提供のかたちも現れている。そんな時代の中で彼は改めて“所有すること”、特に人間の暮らしの拠点となる“家を所有すること” の意味を問い直した。単に時代を逆行するのではなく、暮らしの本質や豊かさの根源を見つめなおす中で「住居に何が必要か」を冷静に結論付けた点は高く評価できるものであり、建築の存在論的議論にも繋がる野心的な試みといえる提案である。関東学院大学Diploma2019(卒業設計公開審査会)において銀賞を受賞。