​卒業設計

​私層

柳澤研究室 田端 絵理佳

​生きていると大切な感情たちが、社会が垂れ流す情報や常識に押しつぶされ、埋もれていく。なぜこんなにも生きにくいのか。その反面、社会との小さな繋がりに助けられている私もいる。そんな社会とこれからも生きていく為に、まず私は私を理解したいと思った。これは私を空間として具現化した作品である。

​総評 柳澤 潤

「わたし」の内面を通時的に、幼いころから成長した今に至るまでの自省録とでもいうような世界感を詩的に表現した作品である。地上の世界では自分がその時々で感じた街のスケールが描かれ、地下に潜るにつれて自身の内面をえぐるように、その心象風景を空間的に表現することを貫いて、作品とした。今の田端さんの感情、欲望や悩み、そしてかすかな希望がこの表現の中に潜んでいて、社会性や公共性が問われる卒業設計では珍しく、自分の殻をどのように開くのか、を自分自身に問いかけながら丁寧に作り上げた作品となった。卒業設計に取り組みながら、自分とは何か、を改めて空間に置き換えて表現する姿勢とともに美しい作品だと高く評価したい。