環境共生デザインコース

建築環境デザインスタジオ

​授業概要

2年次の建築設計製図Ⅳで建築設計を行った設計課題の図面を、建築環境と建築設備的な視点から見直し、熱・空気・光・水などの環境要素を取り入れた環境共生建築を計画のコンセプトを明確にして、再度デザインする。その建物をもとに、それに導入する給排水衛生、空気調和・換気、電気の各設備の設計コンセプトを考え、それを盛り込んだ主要図面を描くことで、建築設計から環境設備設計までをトータルに学ぶことを目的とする。

​課題説明

課題は設計対象とした建物の立地環境や周辺の自然環境を考慮し、環境要素を取り入れる。また、省ネルギーや省資源を意識した建築設計を実現するために、建築的なパッシブ技術と設備的なアクティブ技術を建築計画にいかに総合的に盛り込み、デザインに反映させるかを考える内容である。本年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響のため、対面指導は実施していない。今回は、先ず5 号館及び既存建物の建築図面、給排水衛生設備、空調設備、電気設備の各設計図書を中心に、建物内での水、空気、熱、電気の流れを理解させることがテーマである。その上で、実際の各部面のトレースを行いながら、建築空間・部位、建築設備の配管、ダクト、幹線などの描き方も学習できた。その成果を生かし、秋学期に実施したパッシブデザインスタジオでの課題制作を行った。

​作品

総評 大塚 雅之[教授]  遠藤 智行[教授] 山口 温[准教授]  中村 秀親[専任講師]

オンデマンド配信による各設備図の作図方法の説明を行ったことで、動画や配布資料をよく確認し時間をかけてトレースを行った学生とそうでない学生の差は明白であった。トレースの意味は設計図の表現を学ぶためには非常に意義のある作業であり、図面構成、図面シンボルや線種・線の濃淡の意味などの理解から、各設備の系統の把握(水・空気・熱・電気の流れ)、あるいは平面での機器の配置や配管、ダクト、配線の計画などの実務的な内容の学習について、トレースをすることで作図の基礎を学ぶことができたと思う。特に提示する2 名の学生の成果物は、上記の設計図の表現が適切に作図されており、オンライン形式の授業であっても時間をかけて丁寧に作図を行った成果が見られた作品である。

パッシブデザインスタジオ

​授業概要

パッシブデザインスタジオでは、公共性の高い建物を課題対象に気候・風土、建物内外の環境に配慮した環境共生建築を設計する。特に、熱、風、光、音、水といった自然環境要素を積極的に取り入れたパッシブデザインと、省エネルギーな建築設備技術であるアクティブデザインを融合させた建築・環境及び設備計画により、快適な空間を提案する。授業の到達目標は、これまでに修得した設計の基礎をもとに、より発展した設計技法と表現技術の能力を養うことである。

​課題説明

課題は、「海に面した公園内にあるコミュニティ施設」と題し、大学施設の一部として大学と地域や社会をつなぐ社会連携、サービスラーニングの視点から、地域に開かれたコミュニティ施設の設計である。敷地は、関東学院大学金沢八景キャンパスに近い平潟湾に面した野島公園内である。計画にあたっては、敷地周辺の環境を考慮し、環境負荷低減のため自然エネルギーを利用したパッシブな建築要素を積極的に取り入れ、快適な室内環境を実現できる計画とする。同時に、給排水設備、空気調和・換気設備、電気設備を計画する。環境負荷低減につながる建築設計(パッシブ)と設備設計(アクティブ)を総合的に捉えたデザインと図面表現を行う。

​作品

総評 山口 温 [准教授]

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板橋さんの作品「つながる」は、3 つの主建物と建物間をつなぐ別棟によって外観に変化を持たせつつ建物の機能を分散させながら、屋上の菜園と仕切りのない内部空間によって人の出会いと人間関係が構築される計画である。井野さんの作品「商いで紡ぐ」は、商いを通して学生の学びと地域との出会い・交流の場を提案し、地下の広場を中心とした分棟型の施設を計画している。両作品は、特に周辺環境をふまえた建築計画及び自然環境要素を積極的に取り入れたパッシブとアクティブを融合させた環境負荷低減につながるデザイン提案が評価された。また、細部にわたり建築と環境・設備計画の整合性がとれており、多くの要素や情報が図面に反映された。